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オーケストラの指揮者をめざす女子高生に「論理力」がもたらした奇跡/永野裕之【本要約・ガイド・目次】

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なぜ、世界のエリートは古代ギリシャの数学書『ユークリッド原論』を読んでいるのか?
それは、古来より「論理力」は“数学"によって磨かれてきたからである。
聖書と並ぶ大ベストセラーを使い、対話形式で楽しく学べるロジカルシンキングの本質!

目次

■プロローグ なぜ論理的である必要があるのか?

・優子、指揮者の厚い壁にぶつかる
・優子、クリッドに出会う
・数学の歴史は論証の歴史

■第1章 論理的であるための基礎

・パスカルの説得術:自明のものを除いてすべての言葉を定義し、自明でない事柄は全て証明し尽くすと言う方法
「人を説得するには論理的に議論を進めて相手を論破する方法と、人の気に入るようなものの言い方をする方法との2つがある」
・論理的な議論を進める上で重要なのは「定義」と「公理」と「論証」についての規則を守ることが重要
・定義について:物事の意味や内容を言葉で明確に限定したもの
・命題とは「真偽が判定できる事柄」のこと
公理はギリシャ語で「アキシオーマタ」是認されるべき事柄と言う意味(これだけは前提として認めることにしましょうと言う共通の認識のこと)
・論証について:
①それを証明するためにより明らかなものを探すことが無駄なほど明証的な事柄については、これを論証しようとしない
②少しでも不明なところがある命題は全て証明しなければならないが、証明に使える命題は公理かあるいは既に正しいことが証明された命題に限る
③ある概念を説明しようとする際、用語の定義に曖昧さは無いことを確認するために、用語はいつもその定義で置き換えてみる
・定義とは:論理的であるためには最初に言葉の定義ありきである
・公準とは:公準を意味するギリシャ語「アイテーマタ」は、「要請すること」という意味。「議論を進める前に一方が他方に対して、これは認めておいてほしいと要請すること」
1. 任意の点から任意の点へ直線をひくこと。
2. および有限直線を連続して一直線に延長すること。
3. および任意の点と距離(半径)とをもって円を描くこと。
4. およびすべての直角は互いに等しいこと。
5. および1直線が2直線に交わり、同じ側の内角の和を2直角より小さくするならば、この2直線は限りなく延長されると2直角より小さい角のある側において交わること。(平行線公準)
(1~3は定規とコンパスを使った作図のときの約束事)

・公理とは
1. 同じものに等しいものはまた互いに等しい。(a=b,b=c ⇒ a=c)
2. また等しいものに等しいものが加えられれば、全体は等しい。(a=b ⇒ a+c=b+c)
3. また等しいものから等しいものがひかれれば、残りは等しい。(a=b ⇒ a-c=b-c)
[4. また不等なものに等しいものが加えられれば全体は不等である。
5. また同じものの2倍は互いに等しい。
6. また同じものの半分は互いに等しい。]
7.また互いに重なり合うものは互いに等しい。
8. また全体は部分より大きい。
[9. また2線分は面積をかこまない。]
・「=」が使えるのは反射律、対称律、推移律の三つの条件がすべて成立するとき。
反射律:自分は自分自身と等しい
対称律:aとbが等しければ、bとa は等しい
推移律:aがbに等しく、かつbがcに等しければ、aはcに等しい
・優子、再び指揮台に立つ
・定義(全文)
01. 点とは部分をもたないものである。
02. 線とは幅のない長さである。
03. 線の端は点である。
04. 直線とはその上にある点について一様に横たわる線である。
05. 面とは長さと幅のみをもつものである。
06. 面の端は線である。
07. 平面とはその上にある直線について一様に横たわる面である。
08. 平面角とは平面上にあって互いに交わりかつ一直線をなすことのない二つの線相互のかたむきである。
09. 角をはさむ線が直線であるとき、その角は直線角とよばれる。
10. 直線が直線の上に立てられて接角を互いに等しくするとき、等しい角の双方は直角であり、上に立つ直線はその下の直線に対して垂線とよばれる。
11. 鈍角とは直角より大きい角である。
12.鋭角とは直角より小さい角である。
13. 境界とはあるものの端である。
14. 図形とは一つまたは二つ以上の境界によってかこまれたものである。
15.円とは一つの線にかこまれた平面図形で、その図形の内部にある1点からそれへひかれたすべての線分が互いに等しいものである。
16. この点は円の中心とよばれる。
17. 円の直径とは円の中心を通り両方向で円周によって限られた任意の線分であり、それはまた円を2等分する。
18. 半円とは直径とそれによって切り取られた弧とによってかこまれた図形である。半円の中心は円のそれと同じである。
19. 直線図形とは線分にかこまれた図形であり、三辺形とは三つの、四辺形とは四つの、多辺形とは四つより多くの線分にかこまれた図形である。
20. 三辺形のうち、等辺三角形とは三つの等しい辺をもつもの、二等辺三角形とは二つだけ等しい辺をもつもの、不等辺三角形とは三つの不等な辺をもつものである。
21. さらに三辺形のうち、直角三角形とは直角をもつもの、鈍角三角形とは鈍角をもつもの、鋭角三角形とは三つの鋭角をもつものである。
22. 四辺形のうち、正方形とは等辺でかつ角が直角のもの、矩形とは角が直角で、等辺でないもの、菱形とは等辺で、角が直角でないもの、長斜方形とは対辺と対角が等しいが、等辺でなく角が直角でないものである。これら以外の四辺形はトラペジオンとよばれるとせよ。
23. 平行線とは、同一の平面上にあって、両方向に限りなく延長しても、いずれの方向においても互いに交わらない直線である。

■第2章 証明のイロハ

・優子、「分析力」の基礎を学ぶ
・命題1(I巻)
・命題2・3(I巻)
・命題4(I巻)
・命題5(I巻)
・優子、感動の分析に挑む

■第3章 深い証明

・必要条件と十分条件
・対偶
・背理法(I巻 命題7)
・対偶と背理法の違い(不可能であることを示す命題には背理法が適している)
Pである(仮定) ⇒Qである(結論)の示し方
【対偶を用いた証明】「Qではない ⇒ Pではない」を示す。
【背理法を用いた証明】「Pである」と「Qではない」を仮定→矛盾を導く
例)「平行四辺形でない⇒正方形でない」を示す。
【対偶を用いた証明】正方形である⇒平行四辺形である。これは明らかに真。よって、もとの命題も真。
【背理法を用いた証明】平行四辺形でない四角形が正方形である」と仮定。しかし、これは正方形の2組の対辺が平行であることと矛盾。よって、「平行四辺形でない⇒正方形でない」は真。
・三角形の内角の和は180°(I巻 命題32)
・角の二等分線、中点、垂線の作図(I巻 命題9・10・11)
・直線の角度、対頂角、三角形の外角と内対角(I巻 命題13・15・16)
・平行条件(I巻 命題27・28・29)
・与えられた角度と同じ大きさの角度を作図(I巻 命題22・23)
・平行線の作図(I巻 命題31)
・第5公準と「プレイフェアの言い換え」
同値とは、P⇒Q/Q⇒P 両方成り立つ
・優子、文化祭当日の指揮

■第4章 感性を磨く「論理力」

・数学における四つの美
・円周角の定理とその応用(第III巻 命題20・21・22)
・半円の弧に対する円周角は90°(第III巻 命題31)
・接弦定理(第III巻 命題32)
・「数学的な美」の発見~ピタゴラス音律~
・クリッドからの宿題
・優子、垂心に関する問題を解く

■第5章 「論理力」を深める〜新しい視点〜

・優子、数学の女王「数論」に挑む
・新しい視点~『ヒラメキ』の源泉を探る
・ユークリッドの互除法〜前半〜(第VII巻 命題1)
・ユークリッドの互除法〜後半〜(第VII巻 命題2)
・割り算と最大公約数の定理
・1次不定方程式の解の存在証明
・数学的帰納法
・優子、コンクールに挑む

 


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