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教科書に書けないグローバリストの近現代史/渡辺惣樹・茂木誠【本要約・ガイド・目次】

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教科書に書けないグローバリストの近現代史
日本は「国際金融資本+共産主義者」と闘った

なぜ日本は日露戦争に勝利し、第二次世界大戦で大敗したのか?〔幕末維新からロシア革命、世界大戦、トランプ現象まで〕「通説」を覆す! 世界と日本、200年の真相がわかる!シティ&ウォール街が黒幕だった!

過去100年ほど、世界の覇権を握ったアメリカでは、世界の金融センターであるウォール街と合衆国政府がほとんど一体化していた。政府の意思はウォール街の意思を反映したものだった。そうなると、世界史の真実を知るためには、国家間の関係だけを追いかけるものでは不十分。「マネーの動き」を軸として、近現代史の真実を探求することが重要になる。
なぜ日本は日露戦争に勝利し、第二次世界大戦で大敗したのか?幕末維新からロシア革命、世界大戦、トランプ現象まで、黒幕としてのシティ&ウォール街の視点を交えて分析。近現代史200年の世界と日本の「通説」を覆す、眼からウロコの1冊。

目次

第1章:大英帝国と明治維新--近代日本の根本構造とは何か

・「歴史修正主義」的世界史の見方とは

今回の対談を進めるにあたり、まず私の立場をお伝えしたいと思います。私は自分の歴史に対する見方は「歴史修正主義(リビジョニズム)」に立脚すると明確にしています。
ただし私の言う歴史修正主義は、悪意をもって恣意的に使われるプロパガンダ用語としての歴史修正主義とは違います。
日本の歴史修正主義的主張の典型は、「戦前の日本はドイツ、イタリアと並ぶ悪の国だった」とする従来の史観に対し、「大東亜戦争はアジアを解放するために行った戦争で、日本は素晴らしい国だった」とするものです。
私の問題意識は、そこにありません。従来の歴史を見直すにあたり、いちばん重要なのは第一次世界大戦前後の世界の動向です。
まず第一次世界大戦があり、戦後は戦勝国であるイギリス、フランスの主導のもとに、ヴェルサイユ体制ができます。ヴェルサイユ体制はドイツを中心にした中央同盟国に大戦の責任のすべてを押しつける極めて座りの悪いものでした。大戦前後の事件の連鎖をみればむしろ協商国側の責任の方が重いのです。戦間期といわれる1919年から39年までの20年間は、ヴェルサイユ体制の座りの悪さをヨーロッパ諸国とアメリカが何とか修正しようとしたがだめだった。その結果として第二次世界大戦が起きた。つまりあの戦争はヴェルサイユ体制の崩壊現象の最後のプロセスなのです。
こうした流れで見ていくのが、私の言う歴史修正主義です。戦前の日本が悪だったか、素晴らしかったか、といった話ではありません。そこは誤解のないように、確認しておきたいと思います。
従って日中戦争も日米戦争もヨーロッパ戦争(ヴェルサイユ体制の崩壊)の局地戦と理解できます。

・ヤルタ体制やポツダム体制に異議を唱えるのが、一般的な歴史修正主義

一般に歴史修正主義者(リビジョニスト)というと、第二次世界大戦の結果、ドイツと日本を戦争犯罪国家と規定したヤルタ体制や、ポツダム体制に異議を申し立てる人たちを指しますね。
ヤルタ体制は、1945年2月にソ連のクリミア半島の保養地で開催されたヤルタ会談で、米・英・ソ連によって規定されたドイツの戦後処理と欧州の戦後秩序の枠組みです。
ポツダム体制は、1945年7月、ソ連占領下におかれたドイツ、ベルリン近郊で開催されたポツダム会談で、やはり米・英・ソ連によって規定された日本の戦後処理と極東の戦後秩序の枠組みです。
両者を合わせて、「ヤルタ・ポツダム体制」とも言いますが、要は、戦勝国による覇権の確立です。第二次世界大戦で枢軸国だった日・独・伊を、徹底的に「悪の枢軸」と見なす体制とも言えます。
これに対し、もし研究者が、「ヒトラー政権の政策は正しかった」とか、「大日本帝国の戦争には大義があった」などと主張すれば、歴史学会では「歴史修正主義者」と糾弾され、学者生命を断たれるでしょう。これが一般的に言われる「歴史修正主義者」の意味ですが、渡辺先生の場合、そうではないということですね。その辺を、もう少し詳しく、お話しいただけますか。

・第一次世界大戦でドイツだけを悪者視する間違い

私の歴史修正主義は、「第一次世界大戦とは、いったい何だったのか」を真剣に考えることから始まります。たとえばドイツについてです。

当時のドイツは皇帝ヴィルヘルム二世のパフォーマンス的な動きから、「ドイツはイギリスに負けない大帝国になろうとした」「ドイツは覇権国を目指していた」などと言われます。

大艦隊を建設し、イギリスの海上覇権に挑戦しようとして、イギリスを刺激したと言われます。しかし実際のヴィルヘルム二世は、「ドラえもん」に出てくるジャイアンのような、ただ暴力に頼って、いばり散らすだけの人物ではありません。表向き好戦的パフォーマンスは見せますが、避戦的な心情が強かった。

第一次世界大戦直前のヨーロッパ諸国の外交かけ引きの内幕詳細は拙著「英国の闇チャーチル」(ビジネス社)に書きましたが、ヴィルヘルム二世も独軍部も戦いを望んでおらず、懸命にニコライ二世にロシア軍の動員命令を撤回するよう求めていました。ニコライ二世をけしかけて動員を決断させたのはフランスです。

戦い止むなしと決断したヴィルヘルム二世はベルギーに無害通行を求めています。「ベルギーに被害を与えたら、我々は保障します」と約束したわけです。ドイツは知らなかったのですがベルギーは、密かにイギリス、フランスと通じていた。イギリス軍とフランス「軍にベルギーを通過させ、ドイツに攻撃をかけることも考えていました。それを示す史料も見つかっています。

従来のような「ドイツはベルギーを蹂躙した悪いやつ」という単純な歴史観は、もう否定されかかっています。
そうして始まった大戦は戦力が拮抗し消耗戦となり長期化した。アメリカ大統領ウッドロウ・ウィルソンは、善意の第三者的に振るまい、講和条約は懲罰的にしないと約束し仲介に入りました。その条件にヴィルヘルム二世の退位を要求し、独はそれを呑んだ。それでいて、一九一九年のパリ講和会議では、フランスとイギリス、さらにはベルギーの強欲な要求を、まったくコントロールできませんでした。

そこから生じたのが、ドイツ領土の分断です。パリ講和条約では独・墺(ドイツ・オーストリア)領土を切り刻み新しい国を作った。その代表がポーランドとチェコスロバキアだった。ポーランドとチェコスロバキア代表が強欲にも独人人口の多い地域まで領土要求し、英・仏・米はその強欲を抑えられなかったのです。その結果、彼らは少数民族としてドイツ人を抱え込むことにもなるわけです。こうした問題も含め、第一次世界大戦の始まりとパリ講和会議とその後のヴェルサイユ体制については、もう少し真剣に考える必要があります。

戦後ドイツに科した賠償金のひどさだけでなく、もっと大きな問題があったのです。これこそが、のちのヒトラーによるポーランドからのダンチヒの回復、チェコスロバキアで言えばズデーテンの併合につながっていくのです。

第一次世界大戦でドイツが負けるまで、ダンチヒはドイツ領で、ズデーテンもドイツ人居住区域がありました。それがヴェルサイユ条約やサン=ジェルマン条約(協商国とオーストリアが結んだ講和条約)により、ドイツそして墺から切り離された。ヒトラーとしては、それを取り戻しただけという解釈が十分に成り立つのです。

こうした史料は一九二六年頃から出ています。ヴィルヘルム二世もオランダ逃亡後に自叙伝を書いたりしています。彼の主張のすべてが正しいとは言いきれませんが、そこには当時のイギリスの動きなども出てきます。

イギリスは当時アスキス内閣でしたが、参戦に賛成していたのは少数派でした。対独強硬派の一人が海軍大臣だったウィンストン・チャーチルでした。彼が非戦派のリーダー格ロイド・ジョージを脅すように翻意させ参戦へと向かわせていくのです。リビジョニズム(歴史修正主義)はヴェルサイユ体制への疑念から出発したのです。その意味で、私のような見方は、欧米では先の大戦以前からあるものです。それほど特殊ではありません。

・第一次世界大戦を起こしたマネーの動き
・貨幣を製造することの価値に気づいたイングランド銀行
・紙幣を最初につくったのは宋王朝
・保有量の四倍まで発行できた金の引換券
・紙幣の発行と金本位制への移行引
・貿易赤字解消のためのアヘン戦争
・アヘン戦争後の清の支配が、イギリスの自由貿易帝国主義の完成形
・教科書に出てこない通貨発行権
・日本に自由貿易の危険性を教えたアメリカ
・アメリカが日本をバックアップした理由
・領事裁判権はお雇い外国人を呼ぶには不可欠
・クーリーの幹旋をしていたアメリカ不
・イギリスも南アフリカにクーリーをしていた
・ペリー来航計画の背後にはロスチャイルド家
・太平洋ハイウェイ構想と日本開国
・明治維新の成功は、グラバー商会のおかげか
・イギリスが幕府についていた可能性
・ロスチャイルドは幕府と薩長の二股をかけていた
・日本のナンバー銀行が西南戦争後に潰れた理由
・シティの危険性を察知していた伊藤博文
・日本の近代史を理解するには伊藤への理解が不可欠
・アメリカのおかげで日本は、イギリスのズルさをはねのけた
・「自由貿易が正しい」というロジックの危うさ
・アヘン戦争とアメリカ南北戦争はパラレルな関係
・南北戦争はアメリカの「保護貿易主義者」と「自由貿易主義者」の戦い
・「マネー」から見直す南北脱争の意味

第2章:パクス・ブリタニカの終焉--世界の中心はシティからウォール街へ

・保護貿易によって台頭するアメリカ
・アメリカと日本のマーケットとなった中国渡
・アメリカに幻想を抱きだした中国
・アメリカが持つ「ヨーロッパの覇権国とは違う」という意識
・宣教師が中国のアメリカ利権に与えた影響
・宣教師は中国に幻想を抱いていた
・南満洲鉄道の経営に関わりたかったアメリカ
・日露戦争で日本を勝利させた国際金譲資本木
・鉄道経営にはアメリカを加えるべきだった翌
・伊藤博文暗殺の黒幕は誰か?
・ドイツは第一次世界大戦に巻き込まれた
・FRBはアメリカの参戦を見越して設立された
・ウィルソン以降、ウォール街の傀儡になったアメリカ大統領
・「草の根保守」の抵抗とジキル島の秘密会談
・民主党を勝利させたのは保守の分断
・保守の分断にウォール街の関与はあったか
・ウォール街の代理人だったチャーチル
・「ロシアに共産党政権をつくったのはロスチャイルド」説をどう見るか?
・東部戦線を終結させたいドイツの意志が、ロシア革命を成功させた
・アメリカの参戦によってドイツは負けた
・アメリカが参戦できたのはロシア革命のおかげ
・レーニンの革命に幻想を抱いたアメリカ
・ロシアが立憲民主的な国になれた可能性
・「アラブの春」の原型がロシア革命
・ラスプーチンを暗殺したのはイギリス謀報部
・石井・ランシング協定を再評価する
・石井・ランシング協定で日本はもっと強く出るべきだった
・石井・ランシング協定とシベリア出兵の関係
・第一次世界大戦とシベリア出兵で、日本は英仏から信頼を得た

第3章:中国を巡る日米ソの攻防--なぜ中国で共産主義が生まれたのか

・ワシントン会議はアメリカが初めて主導権を握った会議
・ワシントン会議は日本にとって失敗ではなかった
・日本はケロッグ・ブリアン協定を結ぶべきだったか
・ケロッグ・ブリアン協定はアメリカのための方便
・ケロッグ・ブリアン協定で日本は保留事項を設けるべきだった
・大事なのは「言うべき時は、はっきり言う」こと
・日本の“お花畑外交。は、日本人の国民性に根ざしたもの
・裁判も日本では手打ちにした人が評価される
・中本民国とのボタンの掛け違いはいつ起きたか
・孫文が目指したのは共産主義革命
・日本が蔣介石とうまくやる道はなかったか
・張作霖を使って満洲の安定を考えた日本
・日本もイギリスのような二股外交をするべきだった
・アメリカの実業界は中国より日本を重視していた道
・三〇年代のアメリカの政権のパックにいたキリスト教団体
・キリスト教勢力とつながるために宋美齢と結婚した蔣介石
・リットン報告書は日本に大甘な決定だった
・リットン調査団には反日の軍人が入っていた
・リットン調査団に調査員を送り込んだアメリカの意図
・アメリカ人には日本人よりはるかに先を読む能力がある
・日独伊三国同盟により日本は日米戦争に引き込まれた
・アメリカ国民は再び戦争をしたくなかった
・「日独伊を世界から隔離する」と演説したルーズヴェルト大統領
・アメリカが外交を間違えると共産党政権ができる
・なぜスペイン内戦と日中戦争で西側の対応が違ったか
・「英米の外交の失敗」が共産国家を生む
・蔣介石政権を支えたアメリカのドル
・ケインズ経済学が共産主義体制をつくる
・当時の西側のエリートは共産主義者か容共だった

第4章:誰が第二次世界大戦を始めたのか--日米戦争にうまく誘導された日本

・戦争をしたかったのはヒトラーではなく、チャーチル
・ドイツの軍需産業を育てたのはウォール街
・アメリカの駐仏大使も心情的な共産主義者
・ヒトラーはなぜ対米開戦を決めたのか
・チャーチルはウォール街に踊らされた
・ナチズムの経済政策とはニューディール政策と同じ
・ヒトラーがユダヤ人差別をやめさせられた可能性
・ユダヤ人問題をもてあましていたイギリス
・ルーズヴェルトとポーランド系移民票
・ナチスとシオニストとの協力関係
・日米戦争と一九四〇年のアメリカ大統領選の関係
・一九四〇年のアメリカ国民は参戦を望んでいなかった
・ルーズヴェルトは落介石のことなど考えていない
・蔣介石も中国のコミュニストに操られていた
・近衛文麿と日米戦争は無関係
・日本の対米開戦の動機に「反グローバリズム」はあったか?
・当時の日本の経済学者は「マネーとは何か」がわかっていない
・高橋是清がマネーを理解していた可能性
・政治家に死の覚悟が必要だった時代
・満洲で計画経済を成功させた岸信介
・アメリカも満洲経営を評価していた
・日本が超えたレッドライン

第5章:「保護国」としての日本戦後史--ウォール街は日本をどう処理したか

・日本の終戦工作ルートは三つあった
・「国体護持」という言葉に含まれたメッセージ
・参謀本部にあった「何が何でも米英に屈するな」という空気
・ドイツの子どもたち数百万人を死なせたチャーチルの悪
・理想的な戦争の終わり方とは
・戦後五年間で九〇〇万人の餓死者が出たドイツゆ
・モーゲンソー・プランとコミンテルンの関係
・戦後のドイツ人はストックホルム症候群にかかっている
・「冷戦はウォール街とコミンテルンのやらせ」という説
・朝鮮戦争をめぐる謎
・毛沢東の中国をイギリスが真っ先に承認した
・イギリスは簡単に信用できない国
・アメリカのアチソン演説で朝鮮戦争は始まった
・共産党の南京進出に反撃しなかったアメリカ
・なぜアメリカは突然やる気を失ったのか
・アメリカは自国民に戦争継続の説明がつかなくなった
・ウォール街は中国マーケットをどう見ていたか
・革命後、資本主義体制を容認したレーニン
・毛沢東はウォール街を裏切って、反グローバル政策をとった
・アメリカの対日政策は政治的・軍事的意味合いが強かった
・安保改定を求めた岸信介の意図
・六〇年代の日本の学生のような学生が、アメリカで増えている
・巣鴨拘置所でCIAと取引した岸
・アメリカはつねに「通貨の支配」を考えている
・日本の首相は”アメリカ帝国・日本支店長”
・日本は自主憲法をつくらないほうがいいかもしれない
・軍隊を持ってこそ日本は本当の独立国になれる
・アメリカのネオコンに対抗できる日本の政治家はいるか
・今の憲法では、手足を縛られてボクシングするのと同じ
・自衛隊が軍になっても、捕虜としての待遇を受ける保障はない
・中国が国際法を理解しているかは疑問

第6章:「独りで立つ」日本へ--巨大金融資本と共産主義に支配される世界で

・大きな組織は必ず左翼に乗っ取られる
・太平洋問題調査会(IPR)も左翼に乗っ取られていたのか
・太平洋問題調査会は途中から左傾化していった
・国際連合に疑問を持つ人がいない日本
・トランプ大統領がパリ協定から離脱した理由
・皇室典範の改正にまで口出ししてきた国連
・日本は国連改革の先頭に立て
・日本が抜けて国連がますます中国に乗っ取られる危険
・国際機関を自国のために利用するのがうまい中国
・クリントン政権から始まった巨大金融資本の政治支配
・トランプ大統領の登場はアメリカにとって幸運だった
・トランプ氏は9.11やイラク戦争をどう見ているか
・「9.11は裏がある」に顔がこわばったブッシュの次男
・「習近平を潰す」方針にチェンジしたウォール街
・アメリカはいつまでインフレを制御できるか
・脱炭素運動がアメリカのペトロダラーシステムを壊す可能性
・「脱炭素」を言い出したのはカナダの共産主義者
・脱炭素と原発利権はつながっているか
・ロシアの資源戦略を利用しているクリントン夫妻
・米中対立時代における日本の立ち位置とは
・バイデン政権でアメリカの民主主義は崩壊の危機にある
・日本の若い世代に期待
・自分自身で善悪を判断する目を養うことが重要

 


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