ドイツの哲学者、フリードリヒ・ニーチェ。
「神が死んだ」「ニヒリズム」「超人」「ルサンチマン」……。
私たちがいま当然のこととして見なしている考えの多くが、実はニーチェに由来しています。
ニーチェを一度も読んだことがなくても、知らず知らずのうちにニーチェ的にものごとを考えています。
意識するかどうかにかかわらず、私たちはニーチェの掌の上で踊らされているのです。
「どう生きていくのか」という問いが、ニーチェの生涯の最初から最後まで貫いていました。
彼の思索は、すべての人に何かしらのヒントを与えてくれます。
現在の生きづらい世の中で、ニーチェを読んでみてはいかがでしょうか。
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目次
はじめに
ニーチェ関連年表
序章:ニーチェって、どうして人気なの?
世界中で人気のある哲学者
もともとは古典文献学が専門だった
酷評されたデビュー作『悲劇の誕生』
わずか 10年間の活動
昏倒した直後に送られた手紙
人間関係も興味深い
好調ではなかった女性関係
仮面 =多面性を愛する哲学者
ニーチェの文章の特徴
その場その場での仮面を楽しむ
私たちは無意識にニーチェの哲学を受け入れている
私たちはニーチェの掌の上で動いている
時代によって異なる
ニーチェの解釈ニーチェが提示した「思考のメガネ」
第1章:ニーチェを知ると、何が変わるか?
時代認識が変わる
ニーチェの死後に出版された『権力への意志』
ニーチェが再定義した「ニヒリズム」
「絶対的な価値がなくなる」ことの意味
〝生き方〟に対する考え方が変わる
たどりついた結論が〝永遠回帰〟
〝永遠回帰〟を生きるために打ち出したモデルが〝超人〟
〝権力への意志〟は誰もが持っている
ルサンチマンと超人
ものの見え方が変わってくる〝パースペクティブ主義〟
第2章:神が死んで、どうなるか?―「神は死んだ」
ニーチェのやっていることはパロディ
神は死んだ =絶対的価値の消失
神を殺したのは人間
神が死んだことによって起こった混乱
第3章:生きる意味なんてない―「ニヒリズム」
ニヒリズムの意味
生きることの苦しみを忘れさせる〝ディオニュソス〟
悲劇からパロディに変わった『ツァラトゥストラ』
ニーチェのショーペンハウアー批判
ぺシミズムのパラドックス
永遠回帰の思考
ニーチェも答えを出していない
第4章:真実はひとつではない―「パースペクティブ主義」
ものの見方、考え方の基本
芸術の世界から持ち込まれた〝パースペクティブ主義〟
認識の主観主義化
真理はない
否定された人類共通の普遍性
ダーウィン主義の影響があった〝権力への意志〟
弱者は集団になって強者を引きずり降ろそうとする
弱者のルサンチマンによって成立したのが道徳
強者はもういない
第5章:妬みが道徳を生み出した―「ルサンチマン」
〝ルサンチマン〟はニーチェオリジナルの言葉ではない
キルケゴールとニーチェの共通点
従来の系譜学を破壊した『道徳の系譜学』
道徳とはそもそも良いものなのか?
ニーチェは〝系譜学〟の意味を意図的に逆転させた
キリスト教的価値観の道徳
支配権を握ったものが強者ではない
第6章:人間の向こうに何があるか―「超人」
『ツァラトゥストラ』で集中的に使われた〝超人〟
人間とはサルから〝超人〟へ向かう中間にあるもの
生きること自体は否定しないのが〝超人〟
第7章:遊び、そしてパロディ―「永遠回帰」を生きるヒント
精神の三つの変化「駱駝」「獅子」「子供」
なぜ子供なのか
ニーチェにとってのパロディ
ニーチェにとっての遊び
人生でいかに遊ぶことができるのかが生きるヒント
人生は同じことの繰り返し
おわりに
ニーチェ入門のためにお勧めの本
『悲劇の誕生』
『ツァラトゥストラはかく語りき』
『権力への意志』
『悦ばしき知識』
『善悪の彼岸』
『道徳の系譜学』
『この人を見よ』