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数学を使わない数学の講義/小室直樹【本要約・ガイド・目次】

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学生時代、数学が苦手だったという方も多いだろう。しかし、「数学の論理」と「数学のオペレーション(計算などの操作)」はまったく別物だ。人間の能力としても、まるで別の分野に属するものである。因数分解や幾何の補助線の引き方など、数学の能力とは関係がない。
数学の基本になる発想はまことにおもしろく、かつ有益なものなのである。数学の論理は単純明快。「論理的発想」を身につければ仕事も人生もうまくいく!

 

目次

〈存在問題──近代数学最大の貢献〉
■第1章 論理的発想の基本──まず「解の存在」の有無を明確化せよ

1 はたして解けるのか、解けないのか:無駄な努力を排し、やる気〟を保証する
・なぜ、ギリシャ数学が近代数学の母体なのか:公理主義
・真っ赤な噓も数学的には正解
・存在しないものに関しては何を言っても正しい
・数学が提起した「存在問題」の重要性
・なぜケネディは「月着陸」を公約できたか
・人間が月へ行けたのは「存在問題」解決のおかげ
・「存在問題」解決で〝やる気〟を増進させる
・マゼランは確信にみちたハッタリで「存在問題」をクリアした
・解があるのならコンピュータで無限に接近

2 社会観察にどう応用するか:人間の悩みの根元は、すべて「存在問題」にある
・小野小町を口説いた深草少将の徒労
・教科書には、解のある方程式だけが選ばれている
・ガウスやガロアは、なぜ天才数学者といわれるか
・経済学における「存在問題」とは何か
・社会学における「存在問題」とは何か:ヤクザの義理と人情(両方を満たす解はない)
・平重盛とロミオとジュリエット
・人間の生き方を座標軸でとらえる
・社会現象は数学的発想で大摑みにできる

〈集合論 ──数学の本質〉
■第2章 数学的思考とは何か──日本人が世界で通用するための基本要件

1 「論理」の国と「非論理」の国:なぜ、日本型行動様式は諸外国に理解されないのか
・数学は気合いで理解できる
・「駅前の大衆」は集合ではない
・ユダヤ教の食物規定に貫徹する集合の論理
・食物規定があるようでない日本
・禁止されていなければ何をしてもいいユダヤ教
・日本人の〝契約〟は本当の契約ではない
・なぜ、いま「無規範」を問題にするのか
・「礼楽」さえ守れば中国人、ユダヤ教を信じればユダヤ人
・「共同声明に拘束力はない」と言う外務大臣の無知
・なぜ、日本の政治家が信用されないのか
・外交上の基本無知による愚行
・日本人が外交音痴である理由
・「人類は敵同士、世界は紛争の巷」が世界の常識
・日本の婚姻制度を数学的に観察する
・論理の犠牲メアリー・スチュアートの悲劇
・〝妻である集合〟と〝妻でない集合〟のけじめ
・なぜ日本人の売春ツアーばかりが嫌われたのか
・薄気味悪さを感じさせる日本人の無規範

2 「法の精神」の根底にも数学がある:論理の世界から日本流曖昧社会を点検する
・欧米の裁判には存在しない〝大岡裁き〟
・裁判所の機能を奪っている日本の警察・検事
・罪刑法定主義の否定さえまかりとおる不思議な国・日本
・ローマでは、なぜ皇帝と法王の二元支配が可能だったか
・世俗法が宗教法を侵蝕した理由
・「民法の精神」こそ、すべての法律の基本
・近代市民法と古代社会の法の違い
・きわめて数学的な概念、「所有」とは何か
・日本人にはわかりにくい所有の概念
・敵と味方を直和分解して考えない日本社会

〈必要条件と十分条件〉
■第3章 矛盾点を明確に摑む法──論理学を駆使するための基本テクニック

1 論理矛盾は、どこから生まれるか:「必要条件」と「十分条件」を峻別する意義
・高名な経済学者が平気で犯した〝論理矛盾〟
・必要条件と十分条件の違い
・日常的な例で数学的発想を鍛える
・古代ユダヤ教における預言者の役目
・なぜ、預言者は悲劇的運命をたどるか

2 人間の精神活動を数学的に読む:宗教・イデオロギーの骨子とは何か
・神と大論争を展開したヨブの論理
・「死ねば成仏」──日本人の恐るべき仏教誤読
・救済を保証しないからこそ、仏教は難解
・仏教とユダヤ教では戒律は数学的に正反対
・確率論を決定論にすりかえた日本仏教の堕落
・信仰が不十分とは、信仰していないのと同じ
・宗教戦争は、なぜ残虐になるか
・初めて宗教の自由を認めたウェストファリア条約の意義
・ヨーロッパでは、面従腹背でも問題はない
・袴田・宮本論争は、なぜ低次元なのか

〈非ユークリッド幾何学──否定からの出発〉
■第4章 科学における「仮定」の意味──近代科学の方法論を決定した大発見

1 非ユークリッド幾何学の誕生:背理法で証明できなかったユークリッドの第五公理
・〝才色兼備〟を否定すると……
・たった一つの反例でも論理的否定は成立する
・正、逆、裏、対偶を論理に活かす法
・非ユークリッド幾何学は、どうして誕生したか

2 近代科学の基本となった発想法:なぜすべては仮説にすぎないのか
・公理の概念を根底から変えた非ユークリッド幾何学
・なぜ、科学だけは無限の進歩が可能なのか
・科学の本質は〝研究方法〟にこそある
・いかなる俗説も科学の対象になり得る
・社会科学に、完全な科学はあり得ない
・数学の論理を理解していたマルクス
・価値法則を解明したワルラスの業績
・経済の本質とはすべてが依存しあうこと
・数学を使って循環論から脱出する法
・「意見の否定」を「人格の否定」と勘違いする日本人
・「批判」とは、一種の「継承」である
・近代西欧社会は、なぜジョーカーを必要としたか

〈数量化の意義〉
■第5章「常識の陥穽」から脱する方法──日本には、なぜ本当の意味での論争がないのか

1 数学の背景を読む:「数量化」が意味を持つための三つの条件
・数量化は人間の作為の産物
・数量化しなくても客観的比較はできる
・「実数の公理」とは何か
①推移律:コンプリートオーダー(完全順序)
②可換体:四則演算ができること(結合律・配分律)
③コンティニュアス(連続)
・マイナスの商品数量とは何を意味するか
・マイナスの商品価格がついているものとは?
・数学の得点と英語の得点を足すことに、意義はあるのか
・物価指数やGNPは信用できるとはかぎらない

2 「全体」と「部分」の混同
・「アローの背理」が明らかにした社会観察手段
・全体に対する命題は、部分に対しても成り立つのか
・「合成の誤謬」とは何か
・個人が合理的でも社会は不合理な選択をする

 


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