エッセイ

煩悩を刺激する情報販売屋の手口

更新日:

情報販売屋が繁盛している件(逮捕者も出る始末)

ニートでひきこもりで学歴もなかったこんな私が今では月収一千万円を超えました、年収ではありません月収です!がっつりウハウハです。落ちこぼれだったこんな私ができたのですからあなたに出来ないわけがありません!

なんてな挑発的なキャッチをふりまきながら4、5万円もするような『金儲け情報』をびしばし売っているんだから、たいしたたまげた。

『情報販売』というのは、読んで字のごとく情報を販売する商売だから、広く解釈すれば、新聞、雑誌、本などもそのひとつになるでしょう。

しかし、いくら有名な作家であっても本がそこそこ売れても儲かるかどうかはまた別のはなしです。

ずいぶん昔の話で恐縮ですが、あるTV番組で、家田荘子さんが「本を書くのに500万円も経費使って印税は100万円位」とこぼしていました。

その点、インフォプレナー(infopreneur)とか、情報起業家とか呼ばれる、無名の作家――情報販売屋さん――は、出版社など通さず自分で書いて自分で売って月1,000万円も稼いでいるのですから。たいしたたまげた。

情報販売屋の販売テクニックは実に巧妙。

大道芸人か香具師のように、人をぐいぐいひきつけるあの口上に似ているのです。

彼らのホームページや本を読むとさらに確信します。
なんてこった!もうこれは、大道易者、大道芸人、大道商人、見世物興業師の世界ではないか。

小学生の時分、頭が人間、身体が蛇という見世物小屋のアヤシイへび女の看板と呼び込みのテンポのいい口上を聞いて吸い込まれるように小屋に入っていったことがありました。

これが俺の見世物小屋初体験になるわけですが、上半身が人間下半身が蛇だと思っていたら、なんのこたあない化粧の濃いババアがへびを身体に巻きつけたり蛇の頭を口に入れたり出したりしているだけでした。

「なんだこりゃあ、インチキだべさ!」

とっても腹が立って悔しくて帰り際呼び込みオヤジに思いっきり悪態をついて帰って来たのでした。

いま思えば無粋なことをしたもんだと赤面の至りではありますが、当時はほんとうのヘビ女とかタコ娘を見たかったんだもん。

あなたの月収が年収並になります!なんてな口上(能書き)の、とってもソソられる情報商材であっても、今の俺なら中身がどんなあんばいかピタッと当てることができます。(ドヤ顔)

見世物小屋に実際入ってみないと、へび女が一体どんなもんかわからないように、情報商材も買ってみないことにはわからないんです。

今でこそ情報商材の中身がどんなもんだかピタッと当てる芸当ができるのも、実際その情報商材なるものを一度ならずも二度三度……イヤ数え切れないほど買ってきたからなんです。(泣き寝入り含む)

かといって、情報商材の中身がみんなインチキだ!といいたいわけではありません。実際、情報商材のお陰で金儲けできてウハウハしている人がいるのは事実なんですから。

もし、利益を上げられないと嘆いている人がいるとすれば、ただ単純にそれを実行していないだけでしょう。
しかし、フツーの人は情報商材に書かれているとおりの実行は、まず出来ないでしょうなぁ……

なぜって、情報販売で儲けるには一種独特の才能が必要になるからです。

たとえるなら、見世物小屋の客には簡単になれるけど、見世物小屋を運営していくのは大変、みたいな……
だから、その情報商材に書かれているとおり実行して金儲けが出来た人は、見世物小屋を運営し繁盛させるくらいの才能を持っているってことになるでしょうね。

もしかしたら、件の情報販売屋さんが見世物小屋を運営したら、木戸銭5,000円くらいとるんじゃないかな。
出口でちゃっかり『見世物小屋で儲ける方法』なんて情報商材を売ったりなんかしてね。

結局、情報起業で儲けられるか儲けられないかの違いは、見世物小屋を運営して儲けようという意欲がある人か、見世物小屋で儲けるのはちょっと……と引いてしまう消極的な人かの違いだけなんだと思います。

それにしても大道芸の口上というものは芸術ですな。

親の因果が子に報い生まれ出たるはこの子です。
サァサァ寄ってらっしゃい見てらっしゃいヘビ女だよ。
ハイ、ぼっちゃんからおじいちゃん、おじょうちゃんからおばあちゃんまで、サァサァ寄ってらっしゃい見てらっしゃい。
世界の話題、医学の謎、愛知県は霊将山のはるか奥地で見つけましたこのお姉さん、クレオパトラか楊貴妃か、どなたが御覧になっても凄い美女。

ところがこのお姉さんに蛇をあてがいますと、何が嬉しいのかニコリニコリと笑い出し、両手につかんだその蛇を口から鼻へ、鼻から口へと何の苦もなくスルリスルリと通してしまいます。

ハイ場内大変混雑してまいりました。ハイハイハイハイ前の方から御順にお入り下さい。一度見ておけば、孫の代までの語り草。

サァサァ寄ってらっしゃい見てらっしゃいタコ娘だよ。

後ろ姿や髪形に何の変わりがございましょう。
頭には京都祇園は舞妓のごとく、きれいな花かんざしをさし、顔には紅白粉をつけたこの娘が、今から御客様の面前で、この帯を解き着物を脱ぎ、全裸丸の裸になりますれば、この娘のこの腰から下、このももの付け根のところを見ていただきます。

このお姉ちゃん立ち上がるんです。立ち上がると言っても長いアンヨもあればほら短いアンヨもあるから、真直ぐ立ち上がる事ができないからこのニ本の綱にほらしっかりつかまりながら、まず体を大きく左右に振りながら立ち上がらせます。歩く姿がまた一段と見物でございます。

ほら二十五にもなれば、花もはじらう年頃なのに、この娘だけは恥じも外聞もうち忘れたのか、それとも誰をうらむすべもなく、持って生まれた宿命とあきらめたのか全裸丸の裸で立ち上がる。

ハイいらっしゃいませ。見た所から見た所まで、中は全部連続でやっております。早速実演にうつります。
どうぞ急いでください、サァサァどなたもお急ぎ下さい。
おっかなくありません、スリルと迫力はあるがおっかなくはない。
サァサァ寄ってらっしゃい見てらっしゃい……

情報販売屋の口上は今日もまたネット上を駆け巡るのであった……

スポンサードリンク

スポンサードリンク

-エッセイ

Copyright© 青樹謙慈|アオキケンヂ , 2019 All Rights Reserved.