演出とは感動である。
お金ってなんですか?
お金は、なんで動くか?って言うと、感動のないところでお金を動かすことは出来ないんですよ。
今、日本は不況が10年以上続いてんですよね。
なんで、こんなに長く続くかって言うと、感動するものがないんですよ。
でね、うちのパーティもそうなんですよね。うちのパーティは毎回、全国から来るんですよ。
感動を与えると、パーティに来るって言うけど、洋服も買ってくるんですよ。
電車も乗るし、ホテルに泊まる人もいるんですよ。
たった一つのパーティの感動が、人に消費を生む。
分かりますか?
感動を与えられないで、お金だけ取るってのはものすごく難しいんですよ。
だから、モノってのは何でも、感動を与えるような演出をしてあげる事がお客さまに対するサービスなんです。
どうやったら感動を与えられるか?
そのことをしっかり頭の中で考えなきゃいけない。
自分の行っている感動が、いやな感動っていうのもあるんですよ?
感動っていうのは、素晴らしいものばっかりじゃないんです。
感動っていうのは、心の動きだからね。
やってるものが、相手にどういうふうに与えてるかを考えなくっちゃダメなの。
アメリカ人ってのは物事に感動を与える事がうまいんですよ。
だから、映画産業でもなんでもそうなんです。
外国行くと、ミュージカルやってますよね?
ああいう事やってる人、脚本を書いてる人ってちゃんと社会的地位が高いんです。
心という物が見える人がいるんです。
そうじゃないと、回りしか見えないから、この物をいくらで売ってとかってなっちゃう。
日本人が、今、盛んに感動を与えてるってのは、よそで1万円で売ってる物が、ここに行くと600円ですとか、それだけなんです。
だから、物に対する値下げの感動しか与えられないんですよ。
そうすると、安売り屋が1軒できると、10軒店が潰れるんですよ。
こういう店がはやってますとかいうけど、こういうお店が流行ったということは、お店が何軒も潰れるんです。
安売り屋が流行りながら、景気全体が良くなるって事は、ないですからね。
1軒栄えれば、10軒は潰れるんですよ。
だから、スポットを当てればそれで良いんだけど、全体は、良くないんです。
別の形の感動を与えなければいけない。
だから、ディズニーランドが入ってきた時、ものすごく、日本の中の遊園地は潰れたんですよ。
なぜ?潰れたのか、って言った時に今までの日本の遊園地ってのは、ジェットコースター作ればいい。
乗り物入れれば良いんだ。
で、それを提供するもんだと思ってたけど、ディズニーランドは、入口に入ったときから、おとぎの国なんですよ。
だから、知らない人が、ディスにーランドをこう見た時、ディズニーランドだと思ってますよね?
だけど、あそこの地下ってすごいんです。
食いもん屋があるってことは、食い物運んでくる人がいなきゃいけないんです。
でも、食い物運んでくるトラックを見たら、人間って目が覚めるんですよ。
分かります?
だから、そういうのは、ちゃんと地下に入れるようになってるんです。
掃除もしなきゃいけないんですよ。でも掃除をする人も、ディズニーランドにふさわしいようなパフォーマンスしながら掃除するんです。
わかります?
そこまで考えてるんです。
例えば、田舎のおばちゃんいますよね、田舎のおばちゃんがいけないんじゃないよ。
田舎のおばちゃんは、田舎のムードなんですよ。
それが、ディズニーランドの入口にいたり、アイスクリーム売ってたりすると、ムードがダメになっちゃうんですよ。
心の中の感動っていうものを、どうやって感動させられるか?を考えて考えているんですよ。
だから、日本の中にもいっぱい設備が整ってるいる所もあるんです。
それでもディズニーランドに勝てないんです。
ジェットコースターだけならうちの方が世界一だとか、絶叫マシンはうちが一番って言うけど、日本人は比較が出来ないから、怖いって言うのは誰がやっても怖いんです。
これも、感動ですよ。
心の動きなんですよ。
比較的、怖いってのは誰でも持ってるから、ジェットコースター何メートル落っこちますとか、高いところからヒモでがーっと落ちるやつ、それ感動するんですよ。
絶叫マシンの感動と安売りの感動は出来るんですよ、簡単だから。
そうじゃなくて、心がウキウキしてしまうような、忘れられないような、おみやげを買って行きたくなるような、そういうのが、ディズニーランドに比べると落ちるんですよ。
だから、たった一つとってもそうなんです。
分かりますか?
だから、うちのハンバーガーは旨いのよ、そういう時って日本人は味覚がいいんですよ。
ちょっと腕のいいやつだと、マクドナルドより旨いのは作れるんですよ。
うちのは旨いんだってんだけど、違うんです。
ひとつのデズニーランドみたいなもんなんです。
その、感動を与えるということをやってないんです。
ハンバーガー1個売るのに、感動をどうやって与えられるかっていうと、その感動を考えてるんです。
感動ということを考えなければ、ダメなんです。
感動ってのは、金かけなくても感動は与えられるんです。
金だけかけても出来るもんじゃないですよ。
サンプルありますよね?
サンプルのない時にサンプルをあげてると、サンプルの効果は、すごい高いんですよ。
だから、サンプルを作るんです。
効果がないんです。
どういう事ですか?って言うと、それは、自分の使ってたやつを「コレすごくいいのよ」って言ってちっちゃい容器かなんかに入れて、「これ私のよ、使ってごらん」ってあげると、あんたが使ってる物わざわざくれたんだ、って感動があるんですよ。
だから、サンプル、プラス感動なんです。
わざわざ、くれたぐらいのもんだから、使おうとも思うし、「どうだった?」って聴かれりゃ、こうだったのよとかって言うんですよ。
あれ良かったわよとか、ありがとねっていう感動があるんですよ。
ところが、これがこういう物になっちゃって、くれたときに、それはサンプルで、感動が伴わないんですよ。
だから、結果が違うんですよ。
どんなものも感動を考えないで仕事したら、たいした結果は出ないんです。
だから、この物をプレゼントする時はいつやればいいのか?
何を言葉を添えたらいいのか?
その事を考えてなきゃいけないんです。
物を渡せば、良いんじゃないんです。
渡す時の感じってのもあるよね?
その感動という事を自分たちが、考えなきゃいけない。
プロってそういう事なの。
極端な事言うと、お店じゃなくて、玄関でやってる人もいるの。
その人が、「こんな玄関でやりたくなっちゃうのは、こういう訳なのよ。うちの息子が、こうで救われたのよ」って言った時、それって感動なんだよね。
あなたの為に一生懸命話してる。
それって感動なんだよ。
自分が、食ってけないから何かいい仕事ないかしら?
あなたの言ってる事って感動を与えてるのか?
聞いてるだけで頭痛くなっちゃような話を客さんに平気でしてる人もいるんですよ。
買い物っていうのは、一番心が感動するべき物なんですよ。
その感動を与えやすいような物ですら、感動を与えてないんだよね。
だから、私がこう言うのおかしいけど、私が帝国ホテルで働いていたら、帝国ホテルで感動を与える事を考えるんですよ。
下町だったら、下町で感動を与える事は出来るんです。
感動なんてのは、どこにいたって与えられるんですよ。
場所場所で違うんです。
ここは、出来るけど、ここは出来ないってないんです。
結婚式だって最高の場面なんです。
一生一回なんですよ。二回の人もいるけど。
それは良いんだけど、その人は、何百万もかけてスターになっているのに、その感動をさらに盛り上げる人と、彼は、どうのこうのとか言って盛り下げる人もいるんだよね。
そういう事をしちゃいけないの。
ましてや、商人は、いけない、商人は感動を作る人なんです。
良き感動を作る人なんです。
どのぐらいの感動を作れるか?
その感動にひたりたいんです。
私にまた会いたいのよって人は、心の中の何かが動いてるんです。
それが、嫌なほうの振り子に動いた時、会いたくない。行きたくない。
それが、良い方の振り子に動いた時、あの人にまた会いたい。そこのお店にいきたい。
どうせなんか買うなら、そのお店で買いたい。
心の振り子をどうやったら動かせるか?
自分は、何の為にこの仕事してるのか?
この感動というものを頭の中に入れて仕事、だけじゃないんだよ。
すべての事をやってかないと何にもできないんです。
うちのパーティもどうやったら感動を与えれるか?
音楽はどうしたらいいか?
照明はどうしたらいいか?
ものすごく、気を使うんです。
なぜかって言うと、実はあれ一個で何千万、ヘタしたら億の金が動くんじゃないか?ってぐらい日本のものが動くんです。
それは、一つの感動なんです。
と言う事です。
終わります。