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【無能唱元・伝法講義録 019】霊の複合体

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霊の複合体

ここで、もう一度、テ—マを「自己同一性」(アイデンティティ)の問題へ戻ってみたく思います。
人間の肉体は一説によれば、約六十兆の細胞で成り立っているといわれております。そして、神秘学的な立場での考え方は、この細胞の一個一個が、独自の個立した意識および記憶を有した、つまり一個の人格を有しているとしているのです。
人間の持つ自我意識すなわち自己同一性感情は、実際のところ、これらの六十兆の人格が形成している団体の「仲間意識」が発展したものと考えられるのです。つまり、それは、同種のものとして、また同一国家の国民として、お互い助け合う感情、いうなれば愛国心がそこに発生し、ここに一致団結の意識がはぐくまれて「自己同一性」感情が生じたと見るのです。

更に、その六十兆分ノ一の一個の細胞でさえ、そこに真核が宿るためには、三つの単純細胞が合体してそこに、最小の考える個体、つまり自我が創られた、いわば「複合体」であるのです。

さて、肉体の細胞の一個一個には、一個一個の霊が宿っており、肉体が六十兆の細胞の複合体であるならば、霊も六十兆の複合体として考えられます。
しかし、肉の個別性、分離性に対して、霊のそれは、はるかに融合的であり、普遍性に富んでいることはいなめません。

推測できることは、霊は軽く精妙で、それは融合しやすいと共に、また分離もしやすい、つまり「自由性」に富んでいるという点です。
それは、固体に比較して、水はより自由であり、水蒸気、雲は更に自由であることに似ております。
私たちの自己同一性は、このようにして、個々の細胞霊の融合化によって生じてきた「集合意識」なのです。そして、それが人間の表層意識が活発に作動している間も、意識下で静かに働きつづけているため、しばしばそれは「集合的無意識」とも呼ばれているのであります。

更にこれを延長して考えてみましよう。
私たち個々の人間も、それぞれに仲間意識を持ち、その輪が拡がって行くものです。
最初、夫婦愛、家族愛は、隣人愛、そして愛校心、郷土愛、愛国心、そして更に人類愛とそれは発展して行きます。
更にそれは、異種の種族にまで及んで行き、他の生物、そして植物にまで、共通の仲間意識がつながって行き、ついには、万象との一体意識へとたどりつくのです。

霊の昇格過程において、一つの推測がなされるのは「個より、より普遍への拡がり」という点です。すなわち、それは「個我より、太霊への進化向上を目指している」という状態を示し、この故に当会は、すべての人間の生命は、このような進化の途上にある、と主張しているのであります。

[出典:唯心円成会伝法講義]

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