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【無能唱元・伝法講義録 035】器嚢落底の術

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上下の伸び・器嚢落底の術

アレクサンダー・テクニックを引用して、人間の健康と不老長寿の最も重要な秘訣は、その身体の「伸び」にあることを申し上げました。
もとより、健康、不老長寿には、内面的な要素として、「心の平安」は欠くことの出来ないものであり、その故に当会は、今までくり返し、その心つまり意識のコントロール法について言及してきたのは、すでにみなさんご承知のことと思います。
しかしながら、これもみなさんご承知のように当会は、陰陽の一極に偏しないため、外面の世界もまた重視しているのであります。
この故に、外面すなわち肉体面のコントロールは、心のコントロールと等しく大切なものなのです。

アレクサンダー・テクニックの実に偉大な点は、その伸びの原点が、一椎骨間をほんの数ミリ伸ばすところにあることを発見し、その方法を開拓したことです。
このほんの数ミリの伸びが、実に全身に波及し、そのすべてに「伸び」の力をおよぼすのであります。
ところで、日本に古来からある正呼吸術には、腹筋をゆるめ、内臓を下へ落とし、下部に安定させるという法があります。
当会では、これに「器囊落底(きのうらくてい)の術」という名前をつけ、呼吸術の一部に組み入れております。この方法は次のように行ないます。

まず、下腹部をしぼるようにへこませて息を吐き、次に腹一杯にふくらませて息を吸います。
次に吐く時、上腹部だけをへこませ、下腹をゆるめ、だらりと力を抜くのです。そして、気(体感覚)を臍下丹田に集めるようにします。

これを一回やったら、あとは静かに普通の呼吸を続ければよいのですが、ただし、下腹はゆるめたままに保持し、そこに気を置いておくのです。

さて、この器囊落底の術は、その名のとおり内臓を下に落とそうとするものです。
ところで、アレクサンダー・テクニックは頭部を上に浮かそうとする技術です。
そこで、当円成会は、この二者を組み合わせ、身体の伸びを上下に向けようと考えたのであります。
まず、立つか、椅子に坐り、背を真直ぐにし、前方を見たまま、すっと頭を上方に浮かせます。
あごは出さず、といって引き過ぎもせず、ただ自然に、すっと頭を浮かせるのです。まるで、風船玉が上へ上がろうとするように。

これが出来たら、前記の「器囊落底の術」をやって、下腹に内臓をゆったりと落とします。そして、丹田に気を集中したまま、静かに呼吸を続けるのです。


このイメージは、お腹の底に重しを置いて、そこに風船玉の糸を結びつけ、その風船つまり頭部が、ファーと空中に浮いているといったふうに考えられると良いでしょう。
このポーズこ入ったら、ゆっくりと上を見上げ、またもとに戻り、下を見て戻り、左右に頭を廻して、もとに戻るという動作をくり返します。

そして、日常生活の中で、時折り、どこでも、この動作を行なうことをお勧めします。
このアレクサンダー・テクニックと当会の器囊落底の術と組み合わせたこの方法を、当会は「伸陽姿勢法(しんようしせいほう)」(略称・伸陽法)と呼ぶことに致します。

[出典:唯心円成会伝法講義]

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