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【無能唱元・伝法講義録 065】ラポール

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根まわしの必要性

この世の中には、そのことを始める前に、綿密なそして手間のかかる準備を必要とし、そして、その準備がととのいさえすれば、その本番は、あっという間もなく楽々とうまく行ってしまう、という仕事あるいは物事があります。
場合によっては、このようなことを「根まわし」という言葉によって表現されることもあります。

催眠も、もっとも大切な点は、この根まわしにあるといえます。この根まわしさえ、十分綿密に手落ちなく行なわれていさえすれば、本番の催眠は、殆んど数秒で、簡単に入ってしまうのです。

その反面、この根まわしが、十分効果的に行なわれていなければ、相手を催眠に入らせるのが非常に困難になり、また出来たとしても、トランス状態に導くのに、大変長い時間を要することになってしまうのです。
この根まわしのことを、専門用語では「ラポールをとる」といいます。このラポールとは本来の意味は「関係」ということですが、この場合は施術者に対して、協力したいと思う感情のことをいいます。

このラポールの他に、相手に恐怖などの否定的な情動を起こさせて、その衝撃で、相手の五官を一時的に麻痺させ、自分の指示する言葉に服従させてしまう方法もあります。
実は、古い型の催眠は、殆んどこのようなものが催眠術だと信じられた時代もあったのです。そして、舞台やショウなどで演じられる催眠の実体には、多かれ少なかれ、このような否定的要素が混じえられて演じられたのです。

ラポールは「同意を得るということであり、相手は施術者に好意を持ち、それに協力するという友好的気分のうちにあるものです。
これに反して、衝擊による「服従型」は、一般的に否定的な暗い気分を、残留的暗示として深層意識に残すため、好ましい手段とはいえません。
催眠は、少しの例外を除き、肯定的なラポール法を用いるべきです。

誘導暗示法

あなたが誰れかに催眠をかけようとする時、催眠ということに関して、何かの話を始めたとします。この「催眠について話を始めた時」こそ、すでに、その催眠術はかけられ始めているのであります。
これが前述した「根まわし」あるいは「ラポール」の意味であり、これが十分うまくさえ出来ていさえすれば、催眠は殆んど数秒でかかってしまうのです。

いわゆる「瞬間催眠」と呼ばれる法がこれで、例えば、「私が、これから、あなたのひたいに軽く手を触れますと、あなたは即座に催眠に入ってしまいます」といって、ひたいに手を触れると、本当に一気に催眠状態に入ってしまうのです。それはまるで魔術的にさえ見えるほどです。

しかし、この瞬間と呼ばれるほど短い時間の前には、その準備としての根まわしに、十分な時間がとられていなければならず、これが不完全であれば、瞬間的に催眠状態には殆んどなれないのです。
ですから、よくよく知って欲しいことは、催眠において最も重要なことは、催眠をかけること自体よりも、それをかける前にあるということです。
それで、当会では、この前の部分を「誘導暗示法」と呼び、特にこれを重視しているのです。
[出典:唯心円成会伝法講義]

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