老子現代現場訳

【老子 第74章】民不畏死~死生は自然のままにまかせよ

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民、死を畏れざれば、奈何ぞ死を以ってこれを懼れしめん

民の生殺を司る政治家は、何をおいても天意を奉ずべきことを述べ、而して無為が天意なりとの元来の主張から、みやみに意を用いて治を為すことは失敗の本である、と教えている。
[諸橋轍次]

え~、世も末になりますってえと、『天に代わりて不義を討つ』
なんてな者が亦候お出ましになりましてな。
もっとも、天は任命した覚えがないんですがな。

これはシトリ芝居みたいなもんでして、見ているぶんには、大変おもしろい。

幻灯機が映した妖怪に向かって名乗りをあげる。

やあやあ我こそは天下御免のお茶碗アトムなり~!
天に代わって成敗してくれようぞ!!
出~たな妖怪ッ!
おーのーれー妖怪ッ!
なんかようかいッ!

なんてなことをいいましてな。

ヌンチャクなんかをぶんぶん振り回すからアブなくてしょうがない。

おもしろいけど、見ている方がひやひやしますな。

ま、そのうちヌンチャクを肘におもいっきりぶっつけて、じーんとしたりなんかするわけでして。ええ。

目の高さに飛んできたハエを打とうとして水平に振り回したもんだから、後頭部を打ったりなんかして。上から振り下ろしたら、股をしこたま打ったりなんかして。

これがほんとの『玉にきず』

おあとがよろしいようで<m(__)m>

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【参考文献:白文/書下文/訳】
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民不畏死。奈可以死懼之。
若使民常畏死。而爲奇者。吾得執而殺之。孰敢。
常有司殺者殺。
夫代司殺者殺。是謂代大匠*斲。
夫代大匠*斲者。希有不傷其手矣。

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民、死を畏(おそ)れざれば、奈何(いかん)ぞ死を以(も)ってこれを懼(おそ)れしめん。
もし民をして常に死を畏れしめば、而(すな)わち奇(き)を為(な)す者は、われ執(とら)えてこれを殺すを得るも、孰(た)れか敢えてせん。
常に殺(さつ)を司(つかさど)る者有りて殺す。
それ殺を司る者に代わりて殺すは、これを大匠(たいしょう)に代わりて斲(けず)るなり。
それ大匠に代わりて斲る者は、その手を傷つけざる有ること希(まれ)なり。
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人民が死を畏れない破れかぶれとなれば、
どうして死をもっておどすことができよう。
たとい、人民がいつも死を畏れ、
怪しからぬことをするやつは、わたしが執えて殺すことができるとしても、
どうして勝手に殺すようなことをしようか。
いつも死罪を司る者が天にいて彼らの命を奪うのだ。
いったい死罪を司る者に代わって殺すのは。
これを大工の名人に代わって木を斫れば、
手に怪我をするにきまっている。

※朝日選書:老子(福永光司)より引用
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[老子:第七十四章制惑]
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